タイトル命名!

原稿は思う通りに書きましたが、タイトルは最後まで浮かんできませんでした。原稿を書いている間は「シンセの本」と味気ない名前で呼んでおりました。 最終的にはスタイルノートの池田社長に「シンセサイザーがわかる本」と決めていただきました。実にストレートな名前をいただき、ありがとうございました。

表紙について

原稿を書き終え校正に入り、修正が終わるころには表紙のデザインがあがってきます。表紙は自分の本の顔になるわけで、会うのがとても楽しみです。前回の「サラウンド入門」はシリーズ本のため基本的なデザインは同じでしたが、今回はこの本のために出版社がデザイナーの又吉るみ子先生に依頼をしていただきました。

私の勝手な想像ですが、黒いパネルに最新のデジタル的な音声信号のイメージと、ヴィンテージ楽器に触れている本書だからこそ、紙のすれたような古めかしい模様をデザインに取り込んでいるのでは?と解釈しています。この場をお借りして、すばらしいデザインをしていただいた又吉るみ子先生に感謝致します。

ISBNについて

書籍の裏表紙を見るとISBN***〜という番号を見かけますね?これは『International Standard Book Number』の略で、書籍を特定する世界共通の番号なのだそうです。

私がお世話になっているスタイルノートさんは、これまで出版に使用したISBNの番号が満了したため、2011年10月から新たな出版社記号として「7998」が使用されるのだそうです。
実は10月7日に発売された「シンセサイザーがわかる本」は「ISBN978-4-7998-0100-0」となり、新たな出版社記号の第一号となってしまいました!!偶然とはいえ光栄な事です!(既刊本のISBN番号は変わりません。)

プロフィール写真

前回出版したサラウンド入門で、プロフィールに「著者作:サラウドン」の写真を掲載しました。出版社もよく許可してくれたと感謝しております。こんな事する人でも「サラウンドできるんだ!」と感じてほしかったのです。
今回の「シンセサイザーがわかる本」でもやらせていただきました。解説必要でしょうか?

↓↓↓↓必要↓↓↓↓

「サンプリングを使った世界初のアルバム」を作った世界的グループのマークを思わせるような「オンセン合成」をしている場面です。Moog Modular Vで「オンセイ合成」をしているわけではありません。その作業を見守る人工知能の目が「HAL2000(貼るせん)」です。
こんな事する人でも「シンセサイザーで音作れるんだ!」と感じていただけければ幸いです。

発売日について

JSPAが主催する「シンセサイザーフェスタ2011」は今回で記念すべき10回目を迎えました。
ゲストには、本書でMoogⅢpの撮影許諾をいただいた冨田勲先生もいらっしゃるという盛り上がりようでした。
更に私事ですが、シンセフェスタで初めてセミナーの講師や、冨田先生の試聴室の前説も担当させていただきました。この記念すべき日の前日に「シンセサイザーがわかる本」が発売されたわけで、私にとって忘れられない3日間となりました。

発売日記載の疑問?

この本の発売日は2011年10月7日でしたが、本の裏にある奥付といわれるデータには発行日が2011年10月17日になっています。これはどの本も違う日が書いてあるのでいつも疑問でした。そこでスタイルノートの池田社長に質問したところ、ご回答をいただけました。
すべてが該当するわけではありませんが、雑誌などは10月中旬に10月号を出すと古いと思われるため、先となる11月号を出版するのが習慣になっているようです。書籍も本屋、楽器屋、ネットなど問屋が異なるため、店先に並ぶ日が異なる可能性もある訳です。
そこで、新刊であるはずの書籍が本屋に到着したら、発行日の後だったという事を避けるために、少し先の日付を付けるのだそうです。
長年の疑問が少しスッキリしました。ご回答ありがとうございました。

執筆期間について

原稿を書きはじめたのは2008年の10月頃でした。12月に家の事情で8月頃までは着手できず、久しぶりに原稿を開いてみると自分の勉強不足に気がつかされました。新たに資料を集め必要な機材も購入し研究しながら、どうすれば中学生でも理解できるか考えながら原稿を書き、出版予定を2010年9月と目標にしましたが間に合わず、半年間の先送りとなってしまいました。

その間にも新たな楽器が登場するため2011年3月に原稿の訂正作業をはじめた所、東日本大震災に続き福島第一原子力発電所の事故により、数ヶ月は生活そのものが危機に見舞われました。日本が動き始めた頃にようやく原稿を提出し、夏に校正が終わりチェックに入りましたが、ここでも自分の不勉強さが出てくる始末で、いつまでも勉強は続くと実感させられました。

この3年間で私の成長ぶりを一番感じているのは、おそらく編集担当をしていただいた冨山さんではないかと思います。度重なる訂正も、良い本作りのためと嫌な顔せずに訂正をしていただいたことに改めて感謝する次第です。

また3年間という時の中で、シンセサイザー業界では、深町純さん、コルグの加藤孟会長、レイハラカミさん、出版日前日にはSteve Jobs氏と多くの巨匠が亡くなられました。夢と感動をいただいた感謝の気持ちと共に、心から御冥福をお祈り致します。